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微生物って何?

微生物とは微小な生物全体の総称で、特定の生物をさす言葉ではありません。肉眼で見ることができない、または肉眼で細かいところまで観察できない生物は、すべて微生物とよばれます。一般的には一つの細胞でできています(単細胞生物)。ウイルス、細菌、菌類(酵母、カビ、キノコなど)、微細藻類、原生動物とよばれる生物たちが微生物の仲間です。
私たちが住んでいるこの地球。私たちはいろいろな生き物と一緒に生きています。大きなクジラもいれば、小さな昆虫もいます。微生物は昆虫よりもっと小さな生き物です。
微生物の大きさはどのぐらいでしょうか?ほとんどが1ミリメートル以下です。では、カビやキノコは肉眼で見ることができるのに、なぜ微生物の仲間なのでしょうか?実は、私たちが見ているカビやキノコは、一個一個の細胞の集合です。カビの1細胞は数マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリメートルの1000 分の1)しかありません。
小さな微生物の作り出すサイクルは、地球の循環のために大きな役割を果たしてくれています。

腐敗して分解する力

地球には、さまざまな生物がバランスを保って生かされています。すべての生物の命はいつかは絶えるのですが地球上に生物の死骸が残らないのはなぜでしょう。
大きな生き物にとって糞や死骸(図1 では、「遺体有機物」)は、それ自体価値の無い“ゴミ”のようなものですが、微生物にとっては栄養豊富な食べ物です。とくに細菌はそうした“ゴミ”を食べてどんどん増えていき、その周りにいる他の微生物たち(“鞭毛虫”や“繊毛虫”などの原生動物)は細菌を餌にしています。このような微生物どうしの食物連鎖を「腐食連鎖」とよびます。「腐食連鎖」が活発になると、植物や動物の糞や死骸に含まれていたさまざまな栄養分が土や水の中に早くもどります。とくに窒素やリンは、植物が成長するときに不足しがちな栄養分なので、分解者である微生物の働きは植物の成長にとってとても重要です。地球上では、植物から動物へ向かう「捕食連鎖」と、 糞や死骸などの“ゴミ”から細菌や原生動物へと向かう「腐食連鎖」が、栄養分のリサイクルによってつながり、お互いに回り続けているのです。

発酵しておいしくする力

食べ物の栄養UP!保存も得意!

食べ物は、微生物によっておいしくもまずくもなります。まずくなる方は腐敗、つまり腐っているということで微生物のせいで食べられなくなってしまうことです。おいしくなる方は発酵といって、微生物の働きで食べ物の栄養分を保存したり、栄養価を増したりしています。微生物が食べ物のおいしさを引き出してくれているのです。それから、食べ物をおいしくする微生物は、腐敗を起こす微生物から食べ物を守り、食べ物を保存する働きもしてくれています。昔の人たちは、このことを経験的に知っていて、微生物の力を借りて食べ物を保存し、より美味しく食べる方法を見つけていきました。
微生物の働きで美味しくなった食べ物としては、パン、ヨーグルト、チーズ、発酵バター、お酒・ビール・ワインなどのアルコール、味噌・しょうゆ・みりん・酢などの調味料、お漬物、納豆、鰹節、発酵茶など、世界中にいろいろなものがあります。
一種類の微生物の働きによってできる食べ物としては、パンや、ビール、納豆などがありますが、味噌やしょうゆ、日本酒のようにカビ、酵母、細菌の共同作業でできあがるものもあります。日本酒では原料のお米が持っているでんぷんをコウジカビが分解して糖分にします。これを使って、酵母がアルコールに変えています。また、乳酸菌が乳酸を作って酵母の生育を助けます。ヨーグルトは乳酸菌や酵母が働いて牛乳から作られます。